FOOD DESIGN LAB

毎日のごはんを楽しく美味しく。

柴漬け、夏の終わりの保存食。

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きますね。

瑞々しい夏野菜もそろそろ食べ納め…そこで、本格的な秋が来る前に、保存食を作りませんか?私は酸っぱいお漬け物が好きです。今回は、新生姜とナスを使って「柴漬け」を作りました。

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茄子・新ショウガでつくる、簡単柴漬け。

柴漬けは、京都の伝統的な漬けもので、酸味が特徴です。本来は、赤紫蘇の葉・茄子と塩だけで漬けこみ、長期間の乳酸発酵で作られます。市販の柴漬けは、調味液を使って短期で作る方法が多いですが、添加物や着色料、塩分過多など気になりますね。

漬物こそ、自家製をおすすめします。今回作る柴漬けは長期発酵させませんので、気軽に作れます。漬け込んで3日程で食べられ、1週間程度保存できます。お漬物の独特の風味・酸味で食欲増進効果も。

※長期保存したい場合は、塩分濃度を上げて常温で乳酸発酵させます。

 

材料

夏野菜:ナス、新生姜、ミョウガ、青しそ 

下漬け用塩:野菜重量の2%

調味液:梅酢(大2)

必要な器具:計り、大きめのジップロック、重しになるもの

 

作り方

〜下漬け〜

①お好きな野菜を準備します。今回使ったのはナス、ミョウガ、青しそ、新ショウガ。写真の量で約300gありました。(生姜はひとかけだけ使いました)

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②ナスは縮むので大きめに切って水にさらします。新生姜は細切り、ミョウガは縦に割ります。キッチンペーパーでしっかりと水気を取ってください。

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③野菜の重量を計測し、2%の塩を用意します。今回は6gの塩を用意。

④塩と野菜をよく混ぜ、ジップロックに入れて空気を抜き、下漬けをします。

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100均の小さいバット2個にジップロックをはさみ、上から野菜の2〜3倍の重しをして半日放置します。水がかなり出ますので、濡れると困るものは周辺に置かないように…。

 

〜本漬け〜

⑤水があがりますので、ジップロックから一旦取り出し、水気を絞ります。少量の塩でもんだ青じそと、梅酢大2杯と一緒に再びジップロックへ入れて、下漬けと同じように重しをのせて1日程放置。(冷蔵庫へ入れましょう)2日ほどで赤みが全体に広がり、美味しく食べられます。

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梅酢がなかったら?!青しそだけでも作れます。

梅酢や赤しそは今の時期ならスーパーにあります。梅酢は塩と赤しそだけで作ったものを用意してください。もし、どっちもない!というときは、赤くないですが、青しそだけでも美味しく作れます。

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乳酸発酵させたいときは!腐敗菌について知ろう。

今回のレシピは、乳酸発酵まで至っていません。いわゆる「浅漬け」「当座漬け」といわれるもので、1〜2週間楽しむもの。長期保存はできません。しかし本来の乳酸発酵させたお漬物は、からだにうれしい作用がいっぱいです。

お漬物は日本の知恵。野菜の皮や葉についた乳酸菌の力を使い、塩と野菜のみで長期保存可能な状態にする上、植物性の乳酸菌は腸内環境の改善にもつながります。塩分濃度の高い中で生きている乳酸菌は、腸まで到達する率が高いそう。もちろん胃などで死滅しても、その残骸が腸内細菌の餌となり、環境を整える事につながります。

夏の漬物は注意、腐敗と醗酵は紙一重。

もし、柴漬けを乳酸発酵で作るときは、暑い時期に1週間程度常温放置でつくります。

しかし、夏場は食中毒が増える季節でもあります。食中毒は、食中毒菌の増殖した食べ物を食べたり、毒素を持っている食べ物(自然毒・きのこやふぐなど)などにより起こりますが、夏場に多いのは、圧倒的に食中毒菌によるもの…。今回ご紹介した簡単なレシピにしても、乳酸発酵にしても、「なんか変だな」と感じたら破棄する勇気が必要です。

腐敗菌を増やさない!漬物作りの基本は「塩分」と「空気」

腐敗菌も乳酸菌と同じく存在します。腐敗菌が増えたり、雑菌が増殖すれば腐敗してしまいます。漬物は、乳酸菌が育成しやすいような環境にしてあげることで、乳酸菌を増やします。乳酸菌は、塩が好きな菌。反対に腐敗菌は嫌いなので、塩分濃度をあげることで環境を整えます。

乳酸菌が増えれば、腐敗菌が大嫌いな酸を出すので、さらに良い環境に。

腐敗菌が好きなものは、水、空気ですので、漬ける前にしっかり水気を切り、できるだけ空気に触れさせないようジップロックやビニールで空気を抜いた上で、重しをのせましょう!

 

日本の知恵、お漬物。楽しむために気をつけたいこと。

問題は塩分濃度が高い事なので、摂取量には気をつけましょう。

季節の野菜を栄養価が一番高い時に、非加熱で漬け込む漬物はビタミンやミネラルなど多く残すことができます。独特の風味で、食卓をより楽しいものにしますね。

日本人の私達は、他国の方より腸が長い特徴があります。脂質が増え、動物性の食品が多くなっている今こそ、昔から食べられている食事を見直したいですね。

ぜひ一度、作ってみてください。

 

ミホ